わかめなど海藻類を摂ると髪がフサフサになるという都市伝説を検証

 わかめやひじきなどの海藻類を摂ると、髪がフサフサになるという都市伝説ないし民間療法が存在します。薄毛に悩む人の中には、実行してみようかと思っている方もいるでしょうが、実際のところどうなのでしょうか。

 

 まず言っておきますが、海藻類が直接髪の毛の原料となることはありません。髪の毛の原料になるのはたんぱく質ですが、たんぱく質は海藻類にはほとんど含まれていないのです。したがって、海藻類だけをむやみに食べ続けても、髪の毛がフサフサになることは期待できません。

 

 ただし、海藻類を食べることに全く意味がないかというと、それも違います。海藻類には髪の毛の原料となる成分は含まれていませんが、ヨウ素(別名ヨード)という栄養素が含まれているからです。このヨウ素は体内で甲状腺ホルモンという重要なホルモンの原料となります。そして、このホルモンは育毛に重要な役割を果たすのです。

 

 少し専門的な話をすると、体内に吸収されたヨードは甲状腺に取り込まれ、そこで甲状腺ホルモンの前駆体となるポリペプチド鎖(アミノ酸が数十から数百個つながったもの)と反応して、甲状腺ホルモンを作ります。そして、この甲状腺ホルモンは体内で代謝や血行を促進します。血行の促進は毛根への血流が増えることを意味し、結果的に毛根の活性化とそこでの細胞分裂の促進につながります。海藻に含まれるヨウ素は、このようにして間接的に髪の毛の成長を助けるのです。ちなみにこの血行を促進して毛根への栄養供給を増やすという作用は、薄毛治療薬のミノキシジルと同じです。またヨードには成長ホルモンの分泌を促進することによる、アンチエイジング作用もあるとされています。

 

 ただし、この効果が発揮されるためには、ほかの栄養素が不可欠になります。まず、髪の毛の原料である良質なたんぱく質を摂取しないと、増毛にはつながりません。また細胞分裂を促進する効果がある亜鉛の摂取も不可欠となります。結論すると、海藻に効果がないわけではありませんが、ほかの栄養素を同時に摂らないとダメということです。